★バレンタインの奇跡★
「…もう最悪。溝端君がこんなイジワルだとは思わなかった!」
あたしは軽くふくれながら強がる。
だけどやっぱり怖くて。
そしたら溝端君が何も言わずにあたしの手を握ってくれる。
「イジメてごめん。オレがいるから、大丈夫だから。」
たったその一言で、手の平から伝わる温もりで落ち着く。
不思議だ。
彼の優しさが嬉しくて、このまま暗闇から抜けなければいいとさえ思える。
この手を、離さないで…