★バレンタインの奇跡★


「っ、じゃあ何て呼んだらいいの?」

ドキドキしながらそう聞くと、彼は照れくさそうに言う。

「…翔。好きな子には名前で呼んで欲しい。」

好きな子…

その言葉にまたあたしの心臓は跳ね上がる。

ドキドキが手から伝わりそうなくらい。

「なぁ、今呼んでみて?」

溝端君がそう言ってあたしを見つめるから、もうあたしは彼から逃れられない。

「…翔、クン。」

そう小さく言ったあたしに、彼は優しくキスをした。

「好きだよ、麻衣佳。あの日、麻衣佳に出会えて良かった…」



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