★バレンタインの奇跡★
「…麻衣。大丈夫?」
由加里と部屋について、シャワーを浴びてパジャマに着替えた。
ぼーっとするあたしに由加里が声をかける。
「ん?大丈夫だよ、何で?」
「イヤ、なんか溝端君すごく麻衣にはまってるみたいだから。麻衣はやっぱまだ例のバレンタインの彼、忘れてないんでしょ?」
「…うん、そうだね。でもあたしもさ、毎日毎日翔クンの事がどんどん好きになってってるんだ。だから怖い…ショーンを忘れちゃうことがね。しかも何か、翔クンあの日から変わったでしょ?どんどんショーンに似てくるんだよね。勿論今のショーンは知らないけど、一緒にいると懐かしい気持ちになるっていうか。あの頃みたいな居心地の良さがあって…ショーンに似てるから惚れてくのかなって、翔クンに対する気持ちにも不安なの。あたしってほんと優柔不断、笑えるね。」