★バレンタインの奇跡★
翔クンがそう言ってあたしを抱きしめるから、またあたしの心臓が早く動き出す。
いつまでたってもドキドキする、翔クンの胸の中。
「ねぇ麻衣佳。バレンタインの日さ、二人であの教会で、永遠を誓おうよ。」
「え?」
翔クンの言葉に、心臓が凍りつくような感覚に陥る。
「麻衣佳の想い人とも、昔、あの教会で永遠の愛を誓ったんだろ?」
「っ!?どうしてそれ、翔クンが?」
「麻衣佳、あのさ。実はオレ…」
そう翔クンが言いかけた時、ドアを叩く音で会話は遮られた。
「ったく。青山達かよ、空気読めねぇヤツ。」
そう言いながら翔クンがあたしから離れてドアの方へと向かう。
あたしは翔クンの言いかけた言葉の続きが気になって、その場から動けなかった。