★バレンタインの奇跡★


初めて遊園地でデートした時。

翔クンは言った。

あたしは、彼の初恋の相手に似てるって。

その後すぐ、あり得ないぐらいあたしを好きになってくれた。

まるで、昔からずっと想ってくれてたみたいに…

きっと彼はショーンのコトも知ってるワケじゃなくて。

あたしが初恋の相手を忘れられない気持ちが分かるんだ。

お互いに都合が良かったってこと?

でもあたしは、もうこんなに翔クンのコトが好きだよ…

涙が溢れてくるくらい。

もうショーンなんてどうでもいいぐらい。

でも翔クンは、きっとバレンタインの日、あたしじゃなくて初恋の彼女とあの教会で永遠を誓いたいんだ…

あたしじゃ…ないの?

「…星野さん、大丈夫?ごめんね、でも溝端君がしてることが許せなくて。星野さん可愛いそうだもん。」

女の子達が偽りの同情をくれる。

そんな仲良くないし、そこまであたしのコト考えてくれてるとは思えないけど。

「ありがと。あたしは大丈夫だから…」

そう告げてあたしは一人で懐かしい街並みを歩いた。


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