★バレンタインの奇跡★
「で、本当は何があったの?」
部屋に着いて落ち着いてから、由加里が聞いてくれる。
あたしは今日あったコトを全て由加里に話した。
「自分がこんなにショーンより翔クンのこと好きになってたなんて思わなかった。ショーンに似てるとかじゃなく、あたしは翔クンに恋をして、翔クンもそうであって欲しい…初恋の相手の代わりなんて嫌だよぉ。」
由加里がそっとあたしを抱きしめてくれる。
「…だったら麻衣、溝端君と向き合わなきゃ。ちゃんと今の麻衣の気持ち全部彼に話して、すっきりしてきなよ。それでダメになるような関係なら早めに断ち切った方がいいし。明日はバレンタインなんだから、こんな気持ちで迎えちゃダメだよ。ほら、溝端君に電話しな?ね?」
由加里が携帯を手にとって、あたしに渡す。
あたしはしばらく携帯を見つめてたけど、覚悟を決めて翔クンの番号を押した。