★バレンタインの奇跡★
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「お待たせっ。寒いな!どぉした?」
翔クンが待ち合わせた場所にやってきて、あたしをあっためるように抱きしめる。
電話をかけて呼び出したのは、ホテルの近くにある小さな公園。
夜空が日本と違ってとっても綺麗で、あたしの大好きな星が広がる。
ベンチに座りながら翔クンが言う。
「すげー、麻衣佳の好きな星が良く見えるじゃん?」
「え?あたし星好きだなんて、翔クンに話したっけ?」
そんな話、一度もした記憶はなかった。
「あれ?言ってなかったっけ?星好きじゃない?」
翔クンが少しバツが悪そうにそう言う。
あたしじゃなくて、もしかして初恋の彼女が好きだったのかなって思ったら、また胸が痛んだ。
「別にそんな好きじゃない。」
気がついたらそんなウソついてて。
「そっか。じゃ、オレの勘違い☆」
そう言った翔クンの顔は、何となく悲しそうに見えた…