★バレンタインの奇跡★
「で?話って何?」
翔クンに聞かれて、あたしは勇気を振り絞る。
「あのね、実は翔クンの初恋の相手について聞いちゃったの。今でも翔クンは彼女を想ってるって。…あたしと付き合ったのは、あたしが彼女に似てるから?」
翔クンが一瞬びっくりした顔をした後、考えるように言葉をつなぐ。
「…もしそうだとしたら、どうする?」
ズキンと、心を引き裂かれたみたいな痛みが走る。
やっぱり翔クンは、あたしを通して彼女を見てる…
喉の奥から熱いモノがこみ上げてくる。