★バレンタインの奇跡★
「でもだったらなんでその時言ってくれなかったのぉ?ひどいよぉ…」
安堵感からか、涙が溢れてくるあたしを翔クンが優しく抱きしめる。
「ごめん。なんか麻衣佳は井川と仲良かったし、少し悔しくて。ヤキモチってやつ?あと麻衣佳にも自分からオレに気づいて欲しかったのと、昔のオレだからじゃなく、今のオレに惚れて欲しかったから。だからあん時言ったろ?その指輪の彼、オレが忘れさせてやるって☆」
「もう、そんなの余計ややっこしいし!そんなコト言われたら絶対同一人物だなんて思えないしぃ。」
あたしは泣きながら翔クンの胸を軽く叩く。
その手を優しく握って、彼は天使のように微笑む。