かんのれあ
あの二人を見ないようにと思えば思うほど、脳裏に焼き付いた二人の姿が離れなくって、

胸の奥に沈んだ鉛は、いつからか膨張し、あたしの肺にまで達していた。


そして、河野さんはあたしが編集部を去ってく事すら気が付かなかった。

と、思う。


けれど心の底で、少しだけでも気にかけて欲しいと思う気持ちは、甘え、だろうか?


何に対して?


はっきりしない。胸が気持ち悪い。



「気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い……」

< 100 / 200 >

この作品をシェア

pagetop