かんのれあ
「で、
シリーズ三話目の打ち合わせ、いつできそう?」


「あー…っと、こないだやっと資料に目を通し終えた所なので、
あと二週間は欲しいです」


「ふーん、わかった。
じゃ来月年末パーティーがあるから、そん時〆切りでいいね。
絶対ね。強ー制ー」



そう言えば、もうそんな時期になっていた。



光文出版の年末パーティーとは、高級ホテルで行う立食会のようなもので、

作家や編集者、そしてその関係者が集まり、

その規模5~600人―――顔見知りと落ち合うのでさえ、一苦労する大規模なパーティーを言う。



そこから始まる作家同士の交流もあれば、

作家の人間関係や力関係が垣間見えるシビアな面もあり、

人によっては、胃が軋むようなイベントでもある。
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