かんのれあ
「あー、酒どこ酒」



会場に着いてから、あたしはずっと山崎さんと行動をしていた。



山崎さんは、乾杯用のウーロン茶じゃ物足りないらしく、

あたしたちは、山崎さんのお酒を求めてかれこれ会場を二周くらいしている。






―――この会場に、鏡華さんは来ているのだろうか。




あたしと山崎さんみたいに、河野さんと一緒に行動してるのだろうか…。




この、人に溢れた会場の中で、偶然会うなんて不可能に近いのに、

あたしは辺りを見渡すのを止められなかった。
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