かんのれあ
「え!?あ、
お久しぶりです、かんのです!」


あたしは慌てて、もう一度お辞儀をする。



いつも編集部では、派手目な色とプリントのワイシャツを着てる上、

遠目に見る事が多かったので、一瞬誰だかわからなかった。



「スーツ着てたからわかんなかったんでしょ(笑)」


「いっ、いえ、
会場が薄暗かったものですから――…」


冗談でも"はい"なんて言えない。


編集長とは、そのくらい威厳がある――

というか、"怖い"人だった。



ちなみに、怒られた事があるわけではなく、周りが怖いと噂をしてたり、

あたしにお辞儀をさせた山崎さんのような態度を、他にも見たりして培われた感覚だった。
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