かんのれあ
それは、本当の事を隠してたとは言え、

山崎さんに対して物凄く失礼に当たる事だから。

というか
そういう言葉が頭を過ぎってしまう事自体、申し訳ない気持ちになった。




それをどこまで察してか、河野さんから口を開いた。



「とにかく、
何だかんだで山崎と上手くやってて、俺も安心したよ。

一時期のかんのさんみたいな人に対して、山崎みたいに突き放すのか、
俺みたいに縛り付けるのか、
どっちがいいかなんて言えないわけだしさ。

まぁ、たまにとんでもない事する奴だけど」


そう言って、河野さんは笑いながら

「作家と同じく編集にも競い合いがあるから、仕方はないよね」

と付け足した。
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