かんのれあ
それは、あたしの意識が
同じ空間にいる河野さんの方へと、

絶え間無く向き続けているからだ。



こんなに人の密度は高いのに、

あたしの瞳は、河野さんを視界の中心にしっかりと捕えている。



昨日までの…、

…いや、


ほんの数時間前のあたしだったら、

そんな自分に気づくやいなや、まるで自分の気持ちを見ないように、

慌てて目線をそらしていたはずなのに。


なのに、今のあたしがそれをしないのは…


……

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