かんのれあ
そんな事を考えながら、2次会も終わりの時間に近づいてきた。


あたしの胸を、甘く締め付けるこの空間が終わると思うと、

何だか寂しい。


そう未練を残しつつ、
あたしは帰る前にとトイレに行った。




「……あら」


扉を開けると鏡越しに、
鏡華さんと目が合った。


「あっ、こんばんは」


「こんばんは」


鏡華さんは、大きな瞳を優しく細める。



パーティーだからか、今日は長い漆黒の髪が高い位置でまとめ散らされていて、

色白華奢な体と
ノースリーブの膝丈ワンピースが、

元々の上品な美しさに、ほんのりとした色気を加えている。
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