かんのれあ
部屋の奥には人影が二つ。



あたしたちの行方を探していた、山崎さんと河野さんの姿だった。


鏡華さんの姿を見てか、山崎さんの顔が「げっ」と言っている。



そこで、河野さんが言葉を選ぶように慎重に口を開いた。


「もうみんな帰っちゃったんだけど…、どうしたの?
二人でしゃべってたの?」



そのまま視線を、あたしの腕を握りしめている鏡華さんの手へと落とし、

また元の位置へと戻す。



相変わらず、肩を上下に動かし呼吸を整えている鏡華さんは、

あたしを突き放すと、河野さんのもとへと駆け寄った。

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