かんのれあ
そうしてタクシーが走り出す。


もともとさっきの言い合いで感情は高まっていたけど、

それと別のところが、どくんと鼓動を打つ。


鼓動を打って、それが合図と言わんばかりに、

あたしの中から熱い何かが、外へ出たいと主張する。



"書きたい"



そういう衝動だ。



しかも、ただ漠然とした"何かが書きたい"ではなくて、

"この話を今書きたい"という、衝動。
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