かんのれあ
今日は休日という事もあり、

編集部のあるビルの中はしんと静まりかえっていた。


聞こえるのは、外のざあざあという容赦ない風の音だけだ。



いつもの正面入り口の受付には誰もいなくて、

変わりに左手の社員用入り口にある小さな部屋に、

警備員さんたちが2~3人いるのが見える。



いつもの受付に代わりそこで手続きを済ますと、

9階に向かうべく、エレベーターへと乗り込んだ。



エレベーターが上に昇るにつれて、

陽気の中で感じていた高揚感が、

少しずつ、鼓動を打つ心臓に巻き取られながら、引き締まってゆく。
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