かんのれあ
「おー、
ごめんねー、片付けしてて気がつかなかったよ。
いつの間に来てたの?」


河野さんは「いてて」と言いながら、腰に手を当て立ち上がった。


「今来たところです。
あはは、凄いですね河野さんの机」


「凄いでしょ(笑)。
ここに来てから、後で後でって結局片付けしたことなかったからさ。

積もり積もってー……何年分になるんだろう!?」


数えるのが怖くなったらしい。

大げさにあたしに向けた河野さんの顔が、そう言っていた。


それが何だか可愛くて、
あたしは思わず微笑んでしまう。





この大掛かりな片付けは、来週の異動に向けてのものだった。



河野さんは、

もう何日かしたら……、ここからいなくなってしまう。
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