かんのれあ
「引き分けなんて、あなたは本当、運がいいのね」


鏡華さんは、"運が"の所を強調してみせる。



実は勝負の行方はというと、河野さんが言っていた『読者が半々になるかもしれない』

というのが本当に的中していて、今のセリフはその事に対してのものだった。


あたしが今回、実話をほぼそのまま作品にしたのに対し、

鏡華さんは、一見フィクションと思われる文体と表現で、

その作家人生を匂わせる作品を書いてきた。



描かれていたのは架空の人物だったけど、

わかる人にはわかってしまう、そんな感じ。


というか、鏡華さんに当たる人物はもちろん、

明らかにあたしや河野さんや山崎さんと思われる人物が登場している。
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