かんのれあ
それまで、
恋愛小説としてそこそこの売れ行きを見せていたこれらの作品は、

ある日を境に一種の業界裏を示す暴露小説として、

店頭から飛ぶように、そして消えるように売れる事になる。



きっとこの手の話に詳しい誰かが、どこかで噂をしたのだろう。



それぞれ"れあサイド"、"鏡華サイド"と言う具合に、

もともと鏡華さんの方へ流れていた読者が、

あたしの方へも流れてきた。


1人で2冊、

つまり、2冊で1つの作品と、見なされたという事だろう。



結果を知らされ安堵の息を漏らしつつ、

河野さんが、半々に"分かれる"とは言っていない事を思い出し、

何か上手く言えないけど、

やっぱり凄いなぁ、

そう思った。



河野さんは、あたしたちの作品を編集者としての目で読んだ上で、

あの言葉を言っていたんだ。
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