かんのれあ
「いえ、山崎さんが担当の――……新人……の、かんのれあって、言います」


自信がなくなっていたあたしは、自分に対し新人という言葉さえ使っていいのかすらわからず口ごもってしまう。


すると河野さんはそれを察したらしく、ぶはっと笑ってから言った。


「かんのさん知ってますよ~。うちの編集部期待の新人ですもん~。

で、今日は何?打ち合わせ?」


少し大袈裟な口調だったけど、この言葉で、この人は優しい人だなと思った。
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