かんのれあ
あたしは少し、カチンときた。


口では辞めようかと言いながら、あたしは河野さんが「頑張りなよ」と引き止めてくれるのを、

心のどこかで期待していた。


そうやって、自分の作家としての存在価値を見出だそうとしていて、

けれどそれが甘えだと言う事に、気づかせられたから。


そして、河野さんはそれを完全に見抜いていたから。
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