かんのれあ
「頑張りたいです……」


あたしは言った。


「だって悔しいです、このままなんて。
山崎さんに負けたくない……!」


膝の上の両手を強く握り、泣き出しそうになりながら下を向き、強く言った。


「――よし、わかった!」


「……は?」


河野さんは、まだあまり減っていない二本目のタバコを携帯灰皿に入れてしまうと、

手をパンパンと音を立てながらこすり、腕を組んだ。


なぜか心強く思えてしまうその姿を見上げると、河野さんはあたしを見て、自信あり気に微笑んだ。
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