かんのれあ
「何してんだよ」


振り向くと、俊一が不機嫌そうな顔で立っていた。


「あ、えっ……と。
俊一が、どんな漫画読んでるのか気になって」


「あんだよ気色悪いな!勝手に読むな!」


そう言って、俊一は乱暴にあたしの手から雑誌を取り上げる。


反抗期の弟を怒らせてしまった。


いいじゃんどうせ捨てるんだから、ちょっとくらい読んだって……。


そう思ったけど、"気色悪い姉"なんてレッテルを貼られては嫌なので、

誤解を解くべくあたしは本当の事を言った。


「ごめんね、ほんとは違くて。

ちょっと担当さんと意見が合ってなくて、男の人って恋愛モノだと物足りないのかなぁって気になって……。

少年漫画のどこが面白いの?」


すると俊一は眉をひそめて、さらに不機嫌そうになった。
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