かんのれあ
「あー、どうもぉ、ノベルズの山崎ですけどー。かんのさん?」


あたしは一瞬、凍り付いた。


「……え……と」


額にはじんわりと汗をかき、心拍数は上がり呼吸が乱れ、

血の気が引いて指先が冷たくなっていくのを、確かに感じた。



「え……っと、は、はい……」


「ちょっ。あのさー、そんな怖がんないでよー。

なんか俺が超悪い奴みたいじゃん(笑)」


そう言って山崎さんは一人で笑うと、少し真面目な口調に変えて続けた。
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