かんのれあ
「本当の事を言って下さい……っ」


河野さんが、そんな薄情な人のはずがない。


だとしたら、嘘をついているのは山崎さんだ。


あたしの声は真っすぐに、受話器の向こうまで突き抜けていた。


「本当の事だよ」


山崎さんは、例の笑いながら怒ったような口調になる。
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