かんのれあ
「はぁ?ちょ、かんのさん、今の俺の言葉、聞いてた?」


あたしは毅然とした態度を取る。


「聞いてました。今資料が手元にないから、電話を切ったら探してくれる、そういう事ですよね。

でしたら、またそちらから連絡頂くのは悪いので、あたしが編集部行きます。

それとも、何かやましい事でもあるんですか?」


あたしにここまで言われると、山崎さんは小さく舌打ちをして、

「じゃあ来ればいいんじゃないですかね」

と折れて、嫌味っぽく言った。
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