かんのれあ
「こんな所に制服姿の子がいるなんて……。あなたも作家さん?」


高めの声を、静かに丁寧に絞るような、上品な口調。


見とれているのがバレて、あたしは挙動不審になってしまう。


「あっ、えっと、はっ、はい。

その、"あなたも"って事は――……」


「鏡華と申します」


え。


この人が鏡華さん……?


山崎さんがあたしの作品を盗ませた、あの――。
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