君が教えてくれた事〜晴香〜
二人の気持ち
怖くて震えが止まらない。
どんどん近づいてくる。
「あたし…帰ります…」
その場から逃げようとしたら腕を捕まれた。
「どこ行くの?」
突飛ばされて、押さえつけられた。
「誰か…っ」
隣が学校だから叫んだが声が届かない。
「助けて…」
「静かにしよ〜よ、みんな勉強してるんだからさっ」
「誰か…ゔ…っ」
お腹を思いっきり殴られて気を失った。
目が覚めると知らない部屋のベッドの上にいた。
「大丈夫?」
そっと覗きこんできたのは俊君だ。
「俊君…?なんで…?」
「ここ俺ん家、たまたま通りかかったら晴香が倒れてたから。早退したのに学校戻るとダメかな…って思って」
涙が溢れだしてきて止まらない。
「ありがとう…」
「大丈夫だよ」
優しく抱き締めてくれた。