君が教えてくれた事〜晴香〜


「あの…」



思いきって返してもらおうと口を開くと突然椅子ごと後ろに倒れた。




「痛…っ」



後ろに違う男の子が立っていた。



「邪魔。ここ、俺の席」



「はぁ!?」



喧嘩になりそうになる。



教室に友達らしい男集団が入ってきて顔をみると慌てて謝りだした。




「すいません…っ、雅人行くぞ!」




最初はなんで謝ったのかわからなかった。



「ありがとうございます…」



お礼を言うと彼は軽く微笑んだ。




有里がトイレから戻ってきて担任の先生が教室に入ると、廊下にいた子達も教室に入った。




「おーい!みんな席つけーっ」




携帯にメールが入る。



《ねぇ!晴香の隣の人、ケンカで留年したんだって〜(´・ω・`)さっきトイレ言った時違うクラスの子達話してたよ!怖いね〜…。 有里》




ケンカ…留年…。


そんな風には見えなかった。


ケンカなんてする目に見えない、あたしには優しい目にみえる。



《ありがとう(´・ω・`)でも大丈夫だよ! 晴香》




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