委員長が泣いた日(短編)
それなのに、ガバッと後ろから抱き締められた。今さらながら色んなところに意識が集中する。
委員長ってこんなに熱いんだ。とか
委員長ってこんなに力強いんだ。とか
委員長ってこんなに甘いんだ。とか
思う度に私まで熱くなって今あの委員長である彼に後ろから抱き締められてるんだと思うと心臓が激しく打たれ出した。
こんなに近くにいたら、ドキドキしてるのもバレてしまう。
「……委員長…」
「……本当に御免。アンタの拒絶した声聞いて、アンタが壊れてしまうのかと思った。
俺、どうしようもなくアンタが欲しい」
言葉も出ない。口をパクパクさせるだけで、さっきも酷かったけど今だって壊れてしまいそう。
「なあ」
囁くように吐息混じりに耳元で聞こえたその声に、「ひゃあ」という恥ずかしい声が出て、慌てて口を押さえた。