委員長が泣いた日(短編)
その光景を見た後、これ以上何も起こらないと察した私は再び目の前の黒板に視線を移して黒板消しで黒板を拭いていく。
教室の隅で起こったそれにより、掃除をしていた男子達は皆いなくなってしまったらしく、
再び話を始めた女子達の笑い声がやけに放課後の教室に響いた。
いったい原因は何かなんてただ日直の仕事をしてるだけの私にはわからない。
ただ、掃除をする男子がいなくなったことでこの教室を掃除するのは淡々と机を運ぶ当番の女子と、委員長と心優しい男の子だけとなっている。
十分だと思うが、男子が意味のわからない苛つきを見せて帰ってしまったことで、掃除当番の掃除をする手はだるくなっているようだ。
気持ちはわかる。
私も日直の相方が先に帰ってしまって、仕事全て任されてしまっているから。