委員長が泣いた日(短編)
はぁ。と溜め息を落とすと、大きな物体が教卓の下、つまりは私の隣に座り込んだのが目の端にうつる。
ゾッとして目を向けるとそれは、教卓の下で顔を隠して座り込む、我がクラスの委員長だった。
その肩は、まるでか弱い子供の如く揺れている。
私の勘が鈍くなければ、彼は泣いている。
教卓の下ということから私以外にはバレていないようだ。
私は手さえ動かせず彼に釘付けに。
こんな時はどうすればいい!?
と、無い頭が活発に活動し始める。
それは、委員長という彼が、初めて弱い部分を見せたせいで、私は大分戸惑っているからだろう。
笑顔も知ってるし、怒った顔も知ってる、問題を教えてくれる真面目な顔、男の子らしくヤンチャする顔だって知ってる。
だけど、こんな委員長は初めて見る。