委員長が泣いた日(短編)
しまいには目の端に涙もたまっていく。
皆は委員長の背中を優しく叩いて何かを囁くとまたそれぞれ今度は黙々と掃除を始めた。
静まる教室。
私の笑い声だけが響いていた。
「どうした桧山」
掃除の様子を見に来た先生が委員長の様子に気付いて肩を抱き寄せながら委員長の様子を伺りだす。
さすがに笑いの失せた私はホッと息ついて黒板消しを持って教室を出ていった。
黒板消しクリーナー、そうとしか名前のつけようがないそれはクラスの階の一番隅に置いてあって、そこまで行き着くとスイッチを入れて黒板消しをクリーナーする。
ブオオォンという機械音は周りの音より大きくて、委員長の泣き姿を思い出した私はその音に隠れてもう一度笑った。