【短】さよならを言いに来たよ



彼女は俺がボスに拾われた
一年後くらいに、この組織に入った。

年が近いこともあり、俺達は
すぐに仲良くなった。




―――――――今思えば。


彼女は俺にとって、友人と呼べる
唯一の存在だったのかもしれない。


だが、いくら仲良くなっても、
俺達は互いの身の上話をする
ことは一度もなかった。


何故、この組織に入ったのか。

聞こうと思えば、
いつでも聞けただろう。


だが、俺は聞かなかった。

あいつも、俺に何も聞かなかった。




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