【短】さよならを言いに来たよ



もちろん、ここに来たのを
後悔しているわけじゃない。

ここにしか、俺の居場所はない。

そんなこと、わかってる。




だけど、幼かった俺には
荷が重すぎたんだ。


悪い組織の一員であることも、

他の仲間に“ボスの子供”
として一目置かれることも。




だから、彼女と二人でいる間は
そのことを忘れていたかった。


“ただの少年”でありたかった。




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