スなおなキもち

変わらない方がいい

悪いことしちゃったなあ―

あたしは罪悪感と疲れで机を伏せた。

空を見る。

何もかも薄れていきそうだ。

あたしは窓際のこの席が大好きだった

空が見えるから

顔が自然と笑顔になる

「何笑ってんだよ、おかしいやつ」

くすくすと笑いながらちかずいて来る

廉だ。

あたしは戸惑いと昨日の記憶が重なってどんな顔すればいいかわからなかった。

本を盾にあたしは知らないふりをした

「んな事しても無駄だぜ…?」

ひょいっと本を持ちあげて顔をちかずけてきた

「ちっ…近いから…;」

わざと目を逸らしながらも後ろへ下がる。

そうでもしないと心臓がやばいから

「ってか何の用よ…」


「いや…?何でもねえけど?」

廉はあたしの頭をくしゃっと撫でる

何でこんなに廉は平気なんだろう。

もしかして忘れちゃったとか?

あ、冗談とか?

あたしは顔をしかめた

それがおかしかったらしく

「なんつー顔してんだ御前~」

けらけら笑っている。

「Σなっ…、人の顔見て笑うな!」

あたしはむすっとした顔をしながら言った。

「まあ遊びはこれくらいにして…」

廉は耳の近くに顔を近ずけ、こう囁いた、

「俺、御前のことあきらめたわけじゃねえから」


「Σはっ、れ、苓奈があんたの事すきって知ってんでしょ」

必死で話を逸らした。

それに構いもせず

「誰が俺の事を好きだろうと俺は御前が好きだ。まだお前からの返事を聞くまではな」

くすり、と彼は笑う


さでぃすとめ…


そんなこと言えるわけもない

「ん、そろそろ時間だ。じゃあな」

彼は軽く手をふって、去っていった。









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