†声優アイドルの男子高校生†【3】
スーツ姿の“俺”を鏡にうつし・・・・・・


穴があくように、


じっーっと見てる


と、思ったら・・・・・・



ネクタイをゆるめては、また締め直す。



こうして見ると、スーツも悪くないのかもな・・・・・・



老けそうなイメージだったんだけど。



きちんと感が、“俺”の雰囲気を誠実なものにしている。



それなのに、首元をゆるめたり

しめなおしたり


首筋を鏡にうつして、見せて真顔にしてみたり・・・・・・




「美奈子、なにしたいんだ?」




俺は、出入り口からそっと声をかけた。




「翔ちゃん。
 やっぱりスーツ、似合う!」




美奈子が、鏡から目を離しくるんと、こっちを振り返って
楽しげに言った。




「・・・・・・ああ。そうなんだ」




ほめられてるんだろうけど。




今いち、嬉しくないのはなんでだ?




「あんまり、俺の身体で遊ぶなよ?」




美奈子に言われた


同じこと


言うとは思わなかったな。




「はぁい」




美奈子は、鼻歌を歌いながら準備を終えた。




俺のスーツ姿。




そんなに、好きなのかよ・・・・・・?






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