†声優アイドルの男子高校生†【3】

「仕事としては、どれよりも不安要素がある気がするし。
 けど、俺は、やってみたいって……思ってたんだよな」



美奈子は、じっと


俺の言葉に耳を傾けて、聞いていた。



「好きなものを好きだって認めるのも、勇気がいるって知った。けどさ、今みたいに……
 認めた時のこの感じは、もう、手放せないんだよ」



美奈子の頭をいつもするように、そっと
俺はなでた。



美奈子の手も、さらっとした俺の髪をすくいとる。


美奈子は、ほんの少し

ぽかんとしたように、分からなさそうにしながらなでる手


きっと


今の美奈子以上に、俺はその手を気持ち良いと思っている。



ずっとされたくなるほど。



優しい感覚だった。





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