†声優アイドルの男子高校生†【3】
「だめよ!!」
「どうして!?」
美奈子と大森さんが、同時に言った。
「なに言ってるの?
自分の才能、分かってる?
今日なんか、役を奪い取ったのよ?
取られた方が悪いのだけど・・・・・・
やる気のないシロートに、取られたなんて知ったら、恨まれるどころじゃないわね!
契約をけるなんて、論外よ!」
大森さんのこれでもかというくらい
早口に、口をはさむ余裕もない。
「翔ちゃん、声優のお仕事どうだった?
やってみて楽しかったでしょ?
これってすごいチャンスなんだよ?!」
美奈子も大森さんに続いて、まくしたてる。
二人の勢いが
疲れた俺の中に
意味も分からず
襲ってくる。
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