†声優アイドルの男子高校生†【3】
「そっ。
でも仕事は、仕事よ。
関わったからには、最後まで美奈子には翔くんとして、
やってもらうわよ?」
大森さんは、冷静に対応してきた。
そのことについては、確かにそうだ。
「それは、仕方ないですね・・・・・・」
俺は、承諾した。
美奈子は、何も言わない。
ぎゅっと両ひざに
にぎりこぶしをつくって、何か考え込んでいる。
仕事の時に見せる。
集中力をつかってるようにも見えた。
俺自身のことで、
声優を巻き込んでほしくない。
美奈子の集中力が、変な考えに、
結びつかなきゃいいけど・・・・・・。
美奈子は、チャンスに思えたから
俺の背中を押したかったんだろうけどな。
でもそれは、やっぱり
俺にとって、興味はないってこと。
美奈子に、わかってもらわないと・・・・・・。
身体が、こんなことになってなかったら
笑って、流すだけですんだのにな。
今は、俺の身体の主導権は美奈子がにぎってんだから・・・・・・
「美奈子、あのさ・・・・・・」
「ばか」
美奈子が、一言
小さくもらした。
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