彼女は悪魔
わけの分からない質問に、
青空の頭に浮かんだのは

『理解不能』

口を半開きにしたまま、

黒い翼を大きく広げた少女を見ていた。

青白い、そう言ってもいいほど白い肌。

前髪ものばした長い黒髪。

その華奢な体は黒い服に包まれ

サイズの合ってないような丈の長いコートを羽織っていた。

背格好では青空と年が変わらないくらいに見える。

「契約をするかしないか聞いている。」

少女は地面に降り立ち、眉間にしわをよせながら青空を見下ろした。

「死にたいか、死にたくないのかを聞いている。さっさと答えろ。」

青空は落ち着いてきてはいたが、何を言っているのか理解できないでいた。

「死にたいのか…?」

少女の声に苛立ちが混じったその時、

少女の後ろから違う声がしゃべりだした。

「必要なことだけ言っても分かるわけないだろ!
なんでさっき言ったとおりに…」

「分かっている。
お前は黙っていろ。」

すねたように言い返し、青空に怒鳴った。

「おい、人間!!」
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