彼女は悪魔
「はい…っ」

青空は思わず返事をした。

「お前は今からこの人間に殺される。」

「はい?そんなわけ…」

「黙って聞け。死にたくないなら

お前の命が尽きた時、お前の魂を俺に渡すと誓え。

代わりに俺はお前への服従と、お前の命を守ることを誓う。」

「えー…っと言いたい事は分からないけど、

分かったんですけど。

他に方法とゆーのは…」

「そんなもんあるわけないだろ。

死ぬ方法ならあるぞ。

このまま契約を破棄するか、

俺に殺されるか、自分で首を引き裂きさ…」


「あ〜もういいです。

します。契約。

死ぬのは嫌なんで。」

ずいぶん簡単に決めてしまったが、

青空には不安のかけらもなかった。

少女は顔色ひとつ変えずに、次の指示をだした。

「どちらか片方の腕を出せ。」

右腕をすっと、少女の方にだした。

青空よりも一回り小さな手が手の手の甲をぎゅっと握った。

耳の奥で聞こえた小さな音とともに、黒い何かが青空の手の上をかけ、

黒い印が浮かび上がった。


「契約完了だ」



とても強い風が吹き、青空は目をつぶった。
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