彼女は悪魔
「……」

とりあえず固まる青空。

その間も燃え続ける何か。

パキッ パキッ

「水ー!」

頭に浮かんだ言葉を叫んだ。

キッチンに走り、水をだしたはいいが、

水をかけるものが何もない。

「なッ何か…」

それを探して一回転。



そんな時


目の前を黒いものが通りすぎた。


じゅ


そして鎮火。

「はー…」

座り込む青空。

「あいつは?」

腕を組んだ少女が仁王立ちで青空を見下ろしていた。
「あは、ハハハ…おはよ。」

「あいつ、は?」

少女から殺気と呼べるものがじわじわ伝わってきた。

「どっか行っちゃったよー

朝には帰るって言って。」

「クソ野郎…」

その他、ぶつぶつ呟きながら黒いものを取りに行った。

それは少女のコートだった。

少女は、一度だけコートをばさりと振り、すぐに腕を通した。

「やかんだったんだー…」

まださっきの衝撃から抜け出せない青空がぽそりと呟いた。

コンロの上には何事もなかったように佇むコゲひとつない やかん。

嫌な静けさの沈黙が流れた。


「もう少し気をつけないと、お前死ぬぞ。」


「え?」

「契約の日から数日間、時空は元に戻ろうとする。」

「どういう…?」

「殺されるってこと。」
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