彼女は悪魔
4.ぎこちない気遣いたち
それからまたチャイムが鳴って

真知や先生、クラスの人がちらほら来た。

人が来ている間、彼女は窓から離れなかった。

ずっと、窓の外を見ていた。





「帰りも危ないかな?」

青空は5時間目の授業が始まる前に帰ることになった。

体調が悪いわけではない。

ただ、授業に出るのが面倒だったからだ。

「分からない。硝子の後からは、

時空が攻撃して来なかった。」

「でも、数日間危険なんじゃなかったの?」

「俺にも分からない。」

「そっかあ…」

青空は残念そうにうつむく。

「帰りは俺の使える移動手段を確かめたい。」

「移動手段?」

「聞くより見たほうが速い。
行くぞ。」

「いや、ちょっと待っ…」

青空は彼女を追って、下駄箱に走った。






「青空ー!」

上を見上げると、真知が手を振っていた。

笑顔で振り返す青空。

青空が後ろを向くと、

彼女は不思議そうに青空達を眺めていた。

「手を振る、という行為は何を意味するんだ?」

「さようならって意味[?]かな」

彼女は理解できないという顔をした。

「えーっと…」

「説明しなくていい。」

「何で?」

「急げ。人間がいないところに行く。」

「…はぁい。」
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