彼女は悪魔

ガチャ


「起きたか。」

彼が入ってくるとすぐ、彼女は体を起こした。

「一日前といい、昨日といい、

何で俺の意識を止める

二度と俺の頭に触るな!」

「はいはい。」

さらりとうけ流されたことにが気にいらないらしい。

喧嘩を売る不良のように、彼を睨みつけた。

「また空気が悪くなるー

ので、名前発表〜」

彼女が睨む相手が青空にかわった。

本当はそんなもの出ていないが、

バチバチと、目から青い光が出たような気がした。

青空は場をまぎわらすためにひきつった笑みを返す。

「はい、どーぞです。」

青空は一冊のノートを渡した。

「何これ?」

「ここです、ここです。」

青空は3ページ目を開けて、

たくさん並んだ漢字の中で

三重の丸をつけられた二字を指した。

「…れいみ?」

「『伶美』(れみ)って読むんです。

意味とか含めて一番似合うと思って。」

「へー。いーんじゃね?」

二人は同時に不機嫌な彼女を見た。

「何だ。」

「お前の名前『伶美』だって。」

「名前!?そんなもの……」

「残念。契約上コイツはお前のご主人サマ。

聞いてたあげたほうがいいと思うなあ。」

正当っぽい理由を返され、

壁のほうを向く。

と、急にベットから下り、

どすどすという足音とともに、


バタン!


強く閉められたドアの悲鳴を残して去って行った。
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