彼女は悪魔

長い長い4時間目と給食時間を乗り越え、

教室に人がいなくなったところで


「真知っ!」

真知の席に飛び掛かった。

「フフフ 何ぃ?」

「朝、会ったよね?来る途中で

で、話したよね?少し。」

「うん。」

「じゃあさ、じゃあさ、あれ、どういう意味?

見えるとかずっと、とか3人とか!」

「んーとね、真知見えるの。

幽霊。」

「ユー…れい」

「そう、幽霊。」

また笑顔。

青空は二人の方へ困惑した表情を向ける。


翼が真知の近くへ歩み寄った。

「俺らが居るのはいつ頃から見えてたんだ?

昨日か?今日の朝?」

真知は少し困った顔をした。

「分からないか?」

真知は首を振った。

「ごめんなさい。

いるのは見えても声は聞こえないの。」


「ぜんぜん?」

これは青空。

「うん。口ぱくぱくしてるだけ。

何でだろうね。いつもは分かるのに。」

「じゃ、青空。俺が言うこと伝えてくれよ。」

「はいはい。」

青空は翼の言ったことを真知に伝えた。



「昨日から見えてたよ。

ガラス割れた時、急にその娘が出てきたの。」

真知が伶美の方を向くのにつられて、

二人の視線も伶美に向けられる。

伶美は顔色ひとつ変えずに三人の様子を眺めていた。
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