彼女は悪魔
「そういえばこの人達って青空の知り合い?
時々、後ろにおじいちゃんとかおばあちゃんとかが
ついてる人はいるけど、
かなり若いよね。この二人。
それに、若いのに死んじゃった人って普通、
傷だらけなのに、どこもケガしてない。」
真知は瞬きもしないまま、一気に言った。
青空は、瞬きをすることしかできない。
「何なんだろ。
幽霊とかと違う気もする。
それに、急に見えたのも…」
翼は、ペラペラと不明な点をあげ続ける真知に
呆気にとられていた。
遠くで眺めていた伶美が顔をあげた。
「どうするんだ?
このまま幽霊と思われる方が
都合がいいが、
話す気があるなら話せないわけではないだろう?
お前が説明しろよ、今の状況を。」
「いや。
それはなるべく避けたい。
人間に色々知られるのはまずい気がする。」
「じゃあ?」
青空は真知を気にして短くたずねた。
「てきとーに話作って言っといて。」
「はあ?そんなの無理に決まっ……」
「何が無理なの?」
青空はロボットのようにぎこちなく真知の方へ向き直った。
「うん…あ〜え〜たぶん何でもないヨ。」
真知の首が傾く。
「え〜っとーそう!あれだ、何だっけ?
この人達はーお姉ちゃんの友達!」
「苦しい言い訳。」
青空の隣で翼の嘲笑。
青空は精一杯憎しみを込めて睨む。